Intelがついに、次世代Core Ultraとなる「Panther Lake」の実働デモを公開しました。
会場はCOMPUTEX TAIPEI 2025。台北市内のプライベートブースにて、DaVinci ResolveやTopaz Photo AIなど、AIを活用した最新アプリケーションを動かす様子が披露され、注目を集めました。
Panther Lakeは、2024年に登場したLunar Lakeの後継モデルであり、Intelの最先端プロセス「Intel 18A」を採用した初の製品でもあります。
本記事では、このPanther LakeがどのようなCPUなのか、性能・仕様・デモ内容・発売時期などを総合的に解説します。
- Intelの次世代CPU「Panther Lake」の概要と開発背景
- Panther Lakeが採用するIntel 18Aプロセスの特徴
- Lunar LakeやArrow Lakeとの違い・位置づけ
- AI・GPU・メモリなど各性能面の進化ポイント
- COMPUTEX 2025で披露された実働デモの内容と用途例
- Panther Lake搭載PCの発売時期と今後の展望

今回の記事では、Panther Lakeについてご紹介していくよ!
Panther Lakeとは?

「Panther Lake(パンサー・レイク)」は、Intelが現在開発を進めている次世代のCore UltraシリーズのCPUであり、2024年に登場した「Lunar Lake(ルナ・レイク)」の正統な後継モデルに位置づけられます。
2025年後半の出荷、2026年初頭の搭載製品リリースが予定されており、Intelが本格的にAI時代に対応するための重要な一手となるプロセッサです。
Intel自社製造プロセス「Intel 18A」を採用
最大のトピックの一つが、製造プロセスの出戻りです。Lunar LakeではTSMCの3nmプロセス(N3)を採用していましたが、Panther LakeではIntelの自社ファウンドリである「Intel 18A(1.8nm相当)」プロセスへと回帰します。
このIntel 18Aは、RibbonFET(ゲート・オール・アラウンド型トランジスタ)やPowerVia(背面電源供給技術)などの革新技術を採用しており、従来のFinFETに比べてより高性能かつ低消費電力な設計が可能です。
Intelにとって、このプロセスが本来の「製造と設計の垂直統合モデル」の再確立を象徴するものでもあります。
Arrow LakeとLunar Lakeの「良いとこ取り」
Panther Lakeは、電力効率に優れたLunar Lakeと、パフォーマンス重視のArrow Lakeという2つのCPUアーキテクチャの中間的な存在でもあります。
- Lunar Lakeの特徴:パッケージ内にLPDDR5Xメモリを搭載し、AI処理に最適化された軽量・省電力設計
- Arrow Lakeの特徴:高性能なPコアを備え、ゲーミングやクリエイティブ用途に向いた高性能CPU
Panther Lakeは、Lunar Lakeの優れた電力効率を受け継ぎつつ、Arrow Lakeに匹敵する高性能なCPUコア(Pコア)とGPU性能を組み合わせることで、モバイルからパフォーマンスノートPCまで幅広い需要に対応する設計となっています。
AI・GPU性能も次世代仕様に
Panther Lakeは、単なるCPU性能だけでなく、AI処理やGPU性能にも重点を置いた設計になっています。
- AIアクセラレーター(NPU)の強化
- 内蔵GPUの進化(Arcアーキテクチャベース)
- 大規模言語モデル(LLM)のローカル実行にも対応
というように、近年のクリエイティブ用途やAIアプリケーションに求められる処理能力をしっかりと見据えた進化を遂げています。
メモリ構成の見直し
Lunar Lakeでは、パッケージ内にメモリを実装する「Memory on Package(MoP)」方式が採用されていましたが、Panther Lakeでは従来型のマザーボード実装方式(SO-DIMM/LPDDR5など)へと回帰している点も見逃せません。
これにより、搭載可能なメモリ容量や製品バリエーションの柔軟性が高まると考えられます。
性能・仕様の注目ポイントまとめ
Panther Lakeは、Intelの次世代Core Ultraシリーズとして登場するにふさわしい性能と機能面での大幅な進化を遂げています。
Lunar Lakeの電力効率を踏襲しながら、Arrow Lake級のパフォーマンスを両立し、AI・GPU・メモリ周りのアーキテクチャ刷新も加わることで、ノートPCの可能性をさらに引き上げる一台となることが期待されています。
高性能かつ高効率なCPUコア設計
Panther Lakeでは、Arrow Lakeに匹敵する高性能な「Pコア(Performance Core)」が採用されており、従来比でマルチスレッド性能の向上が期待されています。
一方で、Lunar Lakeから引き継いだ高効率な「Eコア(Efficient Core)」も搭載し、バッテリー駆動時の消費電力を抑える設計となっています。
次世代GPUによる3D・AI処理性能の大幅向上
Panther Lakeには、Intel独自の次世代内蔵GPU(Arcアーキテクチャベース)が搭載されます。
これにより、「ゲーミングや3Dレンダリングの描画性能アップ」「AI推論エンジン(NPU)の強化による、AIアプリケーションの快適な実行」「DaVinci ResolveやTopaz Photo AIなどの生成系AIツールのネイティブ処理」のような性能向上が期待されます。
従来は外部GPUが必要だったタスクが、CPU内蔵のGPUで完結できる時代へと進化しつつあります。
メモリコントローラの刷新と柔軟な構成対応
Panther Lakeでは、LPDDR5およびDDR5の両方に対応する新設計のメモリコントローラを搭載。
これにより、「モバイル向けにLPDDR5で省電力構成が可能」「高性能ノートではDDR5で大容量・高帯域を実現」「Lunar Lakeで採用されていたMemory on Package(MoP)方式から従来のマザーボード搭載方式に回帰し、搭載可能なメモリ容量や構成の自由度が向上」の利点が生まれます。
メーカーやユーザーのニーズに応じて柔軟な製品設計が可能となるのは、OEMにとっても大きなメリットです。
まとめ:Panther LakeはIntelの本気が詰まった次世代CPU
Panther Lakeは、Intelが自社製造プロセス「Intel 18A」へと立ち戻り、再び設計と製造の両輪による革新を目指すという戦略的転換点を象徴するCPUです。
電力効率に優れたLunar LakeのDNAを引き継ぎつつ、Arrow Lake並みの高性能Pコアと進化したGPU、強化されたAIエンジンを搭載するなど、現代のノートPCに求められる要素をすべて詰め込んだ設計が大きな特徴です。
また、DaVinci ResolveやTopaz Photo AIでのAI処理デモ、LLMのローカル実行など、単なる理論値ではなく実用的な体験性能”を重視したデモンストレーションも、IntelがこのCPUに込めた本気度を強く物語っています。
2025年後半からOEM向けに出荷が始まり、2026年初頭には搭載製品が市場に登場予定。
特にCES 2026前後での大規模な発表が予想されており、今後の動向にも目が離せません。
Panther Lakeは、これからのノートPCのあり方を大きく変える可能性を秘めた注目のCPUです。
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